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February 25, 2005

ココログブックスコンテスト事件全面解決のために

  • 互いに溝を埋めようとしない限り問題解決はない。

  • ニフティの意図がどうあれ、ココログブックス・コンテストの「講評」がpoohpapaさんの名誉を傷つけたのは事実。ゴチャゴチャ言わないで「ごめんなさい」と一言言おう。それが問題解決のスタート。

  • ニフティはbloggerをお客と思うべきでない。Blogという文化を共に創り上げていくパートナーと考えるなら、落しどころが見えてくるはず。

『悪徳不動産屋の独り言』にniftyからの謝罪メールについてがエントリーされた。ニフティから謝罪メールが来たとのこと。

poohpapaさんの怒りは解けていませんが、私はこのメールをポジティブに受け止めるべきだと思います。というのは、相変わらず対応の仕方が下手ではありますがそれでも何とか問題解決したいとニフティ側が考えていることが窺えるからです。僅かであろうと接点がある間は問題解決へ向けての努力がなされるべきですし、そのように動いていただけるよう両当事者に要望したく思います。

前にも言いましたように、意図と行動と影響の3つのベクトルがピタッと合っていなければ物事は動きません。これ英語で置き換えるとわかりやすいかな。意図(intention)、行動(behavior)、影響(impact)。あまり変わらないか?

それはともかく、この場合で言えば「ココログを知ってもらい出版の機会を提供しよう」という意図があって、それを具現化する行動が取られたわけですが、poohpapaさんはそれを問題にしているわけではありません。選考過程が透明であればより良いのは当然ですが、予めシナリオが書かれていたとしてもそれを受け止める度量はお持ちです。ですからニフティの意図をどう説明したところでそれは意味を持ちません。なぜなら意図をいくら聞かされても言い訳にしか聞こえないのですから。ニフティの意図がどうあれ、poohpapaさんの名誉を傷つけたのは揺るがしがたい事実なのですから、まずそのことを率直に詫びるべきです。そして質問に答えるべきでしょう。問われているのにそれを無視していたのではコミュニケーションが成り立ちません。質問にきちんと答えてもらえないというのは、それだけでトラブルの元になり得るものです。すぐに答えられないのなら、そのことを速やかに伝えるだけでも違ってくると思います。

くどいようですが、poohpapaさんを納得させられなければ問題解決にはなりません。そのためには何を求めているのか、よく考えてください。poohpapaさんの言っていることによく耳を傾ければ、それはわかるはずです。


ただ、

実は、2月16日付けの古河社長の記事、外国からのお客さんを寿司屋で接待している写真を見た時に、「あ、公式回答は出さない気だな」、と思いました。公開質問状が出されていて、自身も認識していて、部下に再講評の指示を与えて、それでも私が設定した15日の期限までに回答を示さないでいて、翌日の16日にあの記事ですから(冷笑)

というのは、ちょっと違和感を感じました。

そのように感じられたのは事実かもしれませんし、そう受け止められるのも理解できます。がしかし、これを言い出したら本筋から離れていくように思います。問題が拡散してしまい、益々溝を拡げてしまうのではないでしょうか。少しでも問題解決しよう、溝を埋めていこうという姿勢を見せていかないと、単なるクレーマーに見えてしまってpoohpapaさんにとっても損なのではないかと思うのですが、どんなもんでしょ?


それとKakoの手文庫のKakoさんがすごく良いことをおっしゃってるんです。ポイントになる部分を引用させてもらいますね。

ニフティはサービスの提供会社だという考え方からすると、時代に合わせて「売れる」ものへシフトしていくのは仕方がない。でも、パソコン通信の文化は利用してきた人たちが作り上げた物だと言っていい。ニフティだけのものでは決してないと思う。

これはブログも同じだろう。確かにニフティが対価を支払いつつお願いしている有名人ブログは大きな宣伝になるが(私個人はそんなところにコストをかけて欲しくない)、数なら一般人の物の方が圧倒的だ。その中で皆コミュニケーションを図り、そこがブログのおもしろさに繋がっている。ゲーム機を開発するときによいソフトがなければ売れることがないように、ブログもまたその一つ一つが充実していかなければ発展しようがないのだ。

今回の件で多くの人が「客を大切にすべき」と仰っているが、私はむしろニフティはbloggerをお客と思うべきでないのではと思う。Blogという文化を共に創り上げていくパートナーとは考えられないのだろうか。中でも人気を集めているブログは、それだけでニフティの財産である。ノミネートされたがために却って不愉快な思いをした人々は、そういった財産だったはずだ。ニフティにはそのことをもう一度考えて欲しい。そして、この先、インターネット事業の中でニフティがどんな役割を担っていくつもりなのか、きちんとビジョンを示すべきだと思う。

パートナーにはなれない? Kakoの手文庫 より


「パートナーにはなれない?」って問いかけておられるのですが、まったく同感です。Blogという文化を共に創り上げていくパートナーと考えたらどう接したら良いかは自ずから見えてくるはずです。

ニフティの起業時のビジネスであるパソコン通信事業を終了すると公表されました。パソコン通信事業を行うための設備が老朽化し代替機もないのですから、これは仕方のないことだと思います。ここまで継続してこれたことの方が奇跡的なのですから。

しかしそれは新たなビジネス展開の始まりでもあります。パソコン通信事業を始めたばかりのころのニフティ(そのころはNIFという社名でしたが)なんてトラブル続出で皆からボロクソ言われていました。それでも苦情のひとつひとつを真正面から受け止めていました。とにかく逃げませんでしたね。そして時間がかかっても必ず要望されたことを実現してくれたものです。そのようにしてユーザーと共に歩んできたからこそ、パソコン通信を唯一ビジネスとして成功させることができたのではないでしょうか。そのDNAはまだ残っているはずです。ですから"With Us, You Can."というスローガンを空念仏にしないでいただきたいのです。

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February 23, 2005

ご冗談でしょ?ゲイツさん

Microsoftが有料のアンチウイルス製品市場に参入するというのは、ブラックジョークだ。

INTERNET Watchによれば、あのマイクロソフト(Microsoft)が有料のアンチウイルス製品市場に参入するとの意思表示をしたとのこと。こういうのを節操がないって言うんでしょうね。

そもそも我々がこれほどしつこくウイルスをはじめとする脅威にさらされているのは、Microsoftの製品に「欠陥」があるからでしょ。

Microsoftがまず取り組むべきはWindowsの完成度を高め、セキュリティーホールの存在しない製品を供給することです。それがデファクト・スタンダードを持っている者の責任なのではないでしょうか。

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February 22, 2005

ビジネス ブログ ブック

今日は本の紹介をさせてください。

おすすめの1冊:ビジネス ブログ ブック(毎日コミュニケーションズ)

うちわ褒めですが、中身、良いです。 ブログについてこれだけスッキリと万人向けに整理された本は、今はまだ見当たらないように思いますので、これは売れると思います!
とインターネットを利用したマーケティングソリューションを提供しているカレンの山内さんが推薦していたのでバズレではないだろうと思っていたのですが、紹介するなら自分で読んでからと思っておりました。

確かに良くまとまっています。ブログについて知りたい人、特にビジネスに活かしたいと思っている方には安心しておすすめできる1冊だなと思いました。

目次を紹介しておくと


1章/ビジネスブログの基礎知識 ← 本当にわかりやすく書かれている!
2章/オープン(対外公開型)ビジネスブログ
3章/非公開型ビジネスブログ(イントラブログ)
4章/イントラブログ活用法

となっています。
付録として現在SixApartの日本法人の技術責任者をしている平田大治さんとの対談が掲載されているのですけれども、ビジネス ブログの方向性を考えている人にとって示唆に富む発言をしていますよ。


買いたくなった方はこちら⇒ビジネス ブログ ブック

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February 21, 2005

ココログブックスコンテスト事件とマーケティングパラダイムシフト

  • 販促策として実施したコンテストでの不手際が重なり、人気ブログの離脱が相次ぐココログ。

  • もっとスピーディーに適切な対応が取られていればここまで問題はこじれずに済んでいたはずだ。

  • マーケティングのパラダイムシフトが進行していることに気付けなかったニフティ社が犯した過ちを知ることは、ブログのビジネス利用を考えている他の企業の人々にとっても他山の石として大いに参考になるだろう。

poohpapaさんのブログ「悪徳不動産屋の独り言」が多くの人々に惜しまれながら店じまいしてしまった。看板の厳つさに反して人を思いやることを知っているpoohpapaさんならではの暖かい筆致で綴られるコラムで、多くのファンを抱えていたし、「Google」のページランクでも4/10と個人運営のサイトとしては高い評価を得ていた。


そんなブログをpoohpapaさんが閉鎖することを決意したのはある事件が、もっといえば1通のメールが原因だ。今年1月、poohpapaさんはニフティ社が実施したココログブックスコンテスト事務局から1通のメールをもらった。それは以下のような文面だったという。

「悪徳不動産屋の独り言」

<ノミネート理由>
不動産業者が綴る業界の裏話や苦労話というオリジナリティの高さ、
コンテンツの質の高さにノミネーターからの評価が集まった。

<審査員講評>
一般に人々が伺い知ることのできない業界ならではの話題を高い文章力に
よって表現している点に審査員からの高い評価が集まる一方、
「不動産屋を利用する際のコツなど、実用情報があればなお良い」との
リクエストが寄せられた。また、ブログの特性を生かし、読者の疑問を拾い
上げるなど、双方向性を生かした展開をしてもいいのではないだろうか。

「悪徳不動産屋の独り言」を読めばわかることだが、「不動産屋を利用する際のコツなど、実用情報」もふんだんに盛り込まれているし、「ブログの特性を生かし、読者の疑問を拾い上げる」といったブログの特性を生かした双方向性を生かした展開が行われており、それがこのブログの魅力になっている。にもかかわらずこのようないわれ方をしてはpoohpapaさんのやってきたことを全面的に否定したも同然で、「やっぱり審査員はまともに読んでなどいないじゃないか、馬鹿野郎!」と怒りの声をあげるのも当然と言える。この怒りの声は「悪徳不動産屋の独り言」が入選しなかったからではない。「講評」によって自身の名誉を傷つけられたからに他ならない。公開質問状で釈明を求めることは、けっしてやりすぎではない。むしろ大人の対応をしていると言える。

ココログブックスコンテストについては、「悪徳不動産屋の独り言」以外のノミネート者からも不満や批判が噴出している。そのことにニフティ側も気づいているようで、ニフティ社長の古河建純さんのブログ「古河建純 インターネットBlog」の「ココログブックスコンテストの件」というエントリーで行き届かない点があったことを認め、謝罪すると共に善処するよう担当者に指示したと述べている。このことは評価すべきである。知らぬ存ぜぬで逃げてしまうことも出来たのに問題を真正面から捉え、誠意を持って対応していこうとしている姿勢が窺われる。

しかし、このブログはプライベートなものだ。社長ブログでの発言は時には公式発言と受け止められることがあるかもしれないが、基本的にはプライベートなものであって、今回のようなケースではそこでの謝罪は意を尽くしたものとはいい得ない。やっぱり公式な場であるココログブックスコンテストのページで経緯をつまびらかにし、非があるならば明確にそれを認めるとともに、誠意のある謝罪をしないことには対応したことにはなるまい。必要ならば第三者委員会を設置して、事実関係を明確にしてもらうなんてことも必要になるかも知れない。コンテストの講評とこれからの活動につきましてというのがアップされているが、これではpoohpapaさんの問題は解決しない。それどころか古河社長のブログでの対応との違いが際立ち、かえってより大きな失望と落胆を生み出している。

ココログブックスコンテストのページを今見ると、コメントに修正の跡がみられるような気もする。残念ながらこのページが最初にアップされた状態を私は知らないので断言できないのだけれども、ニフティも何とか対応しようとしているのかもしれない。その意図があるとしても行動や行為に移さねば対処したことにはならないし、相手が納得してくれなければ努力は認められても成果とは認められないだろう。

古河さんは21世紀のマーケティングパラダイム、21世紀のビジネスがどのようなものか見えているようだが、残念ながら氏の部下はまだ20世紀にいるようだ。20世紀のそれを一言で言い表すなら「寄らしむべし、知らせるべからず」だ。顧客と比べて圧倒的に多くの情報を持っていることで優位性を確立し、それを梃子にして儲けるというのが20世紀までのビジネスのありようであった。しかし、現在進行しているICT(Information & Communication technology)革命は顧客と企業の間の情報の非対称性を解消している。むしろ顧客の方がより多くの情報を持ち主導権を握るのが当り前になろうとしている。その流れに抗おうとする企業は淘汰されるしかないだろう。20世紀までのビジネスでは「顧客の囲い込み」なんてことが言われていたけれども、21世紀のビジネスではそれは通用しない。顧客に選んでもらうことが企業の盛衰を決める鍵となる。つまり企業にとっては「顧客に囲われ込む」ことが大切になるのだ。そのためには顧客をパートナーとしなければならない。顧客を仲間としなければならない。パートナーや仲間として関係を深めようとするなら、情報の共有化を進めていくしかない。

ニフティの掲げる"With Us, You Can."というスローガンは21世紀のビジネスに合致したものだ。それが心底追求しようとしているものなのか、それとも単なるお題目なのか、今こそ真価が問われている。

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February 18, 2005

失言宰相のピンボケ発言

失言宰相こと森善朗前首相がまたピントの外れたことを言われています。

いわく「カネさえあれば何でもいいんだ。力ずくでやれるんだという考え方は日本の教育の成果かと(疑問に)思う」(毎日新聞/電子版 2005年2月17日 22時56分)

ライブドアのニッポン放送株大量取得を受けての発言ですけれども、今回のライブドアの行為は資本主義社会においては当然のことでありましょう。資本主義社会というのはマネーゲームを認めているいる社会なのですから、そこでマネーゲームをしたからといって何の不都合があるのでしょうか。ましてやそのことと日本の教育の成果の関係性を云々するなどお門違いも甚だしいのであります。


ただ、堀江さんももう少しうまく立ち回ればいいのにとは思いますね。ライブドアという会社、なんとなく胡散臭く思っていたのですが、よくよく堀江さんの言うことに耳を傾けてみると正論なんですな。そして恐ろしく率直な物言いをしている。既得権を持っている「守旧派」にしてみれば煙たい存在といえるのでしょう。

プロ野球参入のときといい今回といい、小器用な生き方のできない性分なのだろうと想像されるのですけれども、喧嘩を吹っかけているかのように喧伝されてしまうのはやっぱり脇が甘いのではないでしょうか。(もっとも変な小細工をしないところが堀江さんの魅力ではありますが……。)

16日放送の『ニュース10』(NHK総合)によれば、ライブドアのニッポン放送株大量取得を進めているのは20歳代の2人の男性社員だといいます。彼らの詳しい経歴を私は把握していませんが、恐らくアメリカのビジネススクールを卒業してすぐにライブドアに入社したといったところなのでしょう。日本企業で働いた経験はなさそうです。堀江さんも学生時代に企業して既存の日本企業文化に染まることなくきています。そのことが影響しているのかもしれませんね。

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February 15, 2005

業種別blog百選—和尚さんから悪徳不動産まで—

業種別blog百選—和尚さんから悪徳不動産まで—

ブログというのは人が見えるツールですね。掲示板がコトで括られているのに対してブログはヒトで括られている。このことは結構重要なポイントで、しかも手軽だということでいろいろなサイトが開設されているわけですが、それらを集めたブログを見つけたので紹介します。

様々な業種・業界の裏話が聞けてこれはなかなかおもしろいですよ。

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February 14, 2005

「地球を生きる子どもたち展」は危険です。

『タモリ倶楽部』の名物コーナー「空耳アワー」の賞品のTシャツは、友人の久米さんのところの製品のようです。日本テレビの24時間テレビの黄色いTシャツも提供しているなんて言っていましたから、そう驚くような話ではないのですが……。

いやいや、本題はそのことじゃなくて、その前の本編で紹介されている

》「地球を生きる子どもたち展」は危険です。

というお話。

これは凄いです。ちょっと公式サイトを覘いて来ただけですけれども、心打たれます。ぜひ見に行かなくてはと思いますね。

東京では渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで来月21日まで開催とのことです。

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February 03, 2005

動き出した「市民球団構想」

『読売新聞』(電子版:2005/2/2/21:40)によれば、個人や企業から出資してもらってプロ野球の新球団を作ろうという動きがあるのだとか。

個人には最低一口1万円を出資してもらい、賛同する企業には特定選手と契約して年俸などを支援してもらう構想なのだとか。すでに30社ほど賛同する企業があるそうですから100万人を目標にしているという個人出資者を集められれば来シーズンからの参入もありうる話ですね。

このような動き、他の地方にも広がれば良いと思います。


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「一太郎」「花子」の製造・販売中止を命じた判決への疑問

松下電器産業がジャストシステムのワープロソフト「一太郎」とグラフィックソフト「花子」の製造・販売差し止めなどを求めた裁判で、製造・販売の中止と在庫の廃棄を命じる判決が出ました。

ジャストシステムの肩を持つわけじゃありませんが、私はこの判決はちょっとおかしいと思います。というのは、問題になっているような機能なら他のソフトでも実装されているからです。たとえば、IE(インターネット・エクスプローラー)にも同様の機能がついています。(ツールからインターネットオプションを開いてもらうと確認できます)
しかもIEには1996年の段階ですでにこの機能がついていたように思います。

報道によれば松下電器の特許は1989年に出願され、1998年に登録されています。アメリカのように先願主義を取っているなら1998年に登録でも特許は成立しますが、日本は先願主義でしたっけ?


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森俊範 ニュースの変化球: ビジネスのパラダイム・シフトが起こった。

マーケティング・コンサルタントでワン・トゥ・ワン・マーケティングを中心とするコンサルテーション実績の豊富な森俊範さんが、自身のブログ森俊範 ニュースの変化球: ビジネスのパラダイム・シフトが起こった。でこんな指摘をしています。

「経済は供給主導型から需要主導型の経済」へと変化し、「企業が主役ではなく顧客が主役となる顧客革命へとすべての企業は移行する」と。

この指摘はとても重要だと思います。私が『電脳商人のすすめ』で指摘したように、最近10年の間に起こっている変化の核心はマーケットの括り方の転換にあります。食品市場とか自動車市場というような製品別に大括りされた見方ではなく、一人一人の顧客をひとつの市場として認識し、それぞれに対して適切に対応して行く緻密なマーケティングが求められています。

従前のマーケティングマネジメントは数字で追っていくことができました。その製品の月間販売数はいくらで、それを実現するためには広告宣伝費にいくら掛ければよいのかが割り出されていました。逆に言えばあるプロモーションを計画しても、それによって何ぼ売上を増やすことができるのかを数字で示すことができなければ、そのプロモーションの実施は認められませんでした。

ところが一人一人の顧客をひとつの市場として認識しなければならなくなると、数字で追いかけていくことができなくなります。マーケティングリサーチの世界で言う定性調査によって掬い上げられてくるような情報を追いかけることが売上に繋がることに先端的な企業はすでに気付いているのではないでしょうか。

たとえば最近の映画のテレビコマーシャルでは、試写会の会場風景を見せたり、参加者に感想を語らせる手法が取られています。涙する観客の姿は数字からは浮かび上がってきませんし、参加者の語る感想は主観的なものであって数字に置き換えることは難しいものです。

一人一人の消費者の考えや気持ちを聞いて回るなんて、ICTの普及していない時代においては非現実的としか言いようがありませんでした。がしかしICTの量も質も著しく向上している今日、それは多少の困難はあるにしてもやってやれない話でなくなってきています。あるいは一人一人とまでは行かないまでもセグメントを細分化して顧客が主役となる需要主導型の経済への対応を図っているのではないでしょうか。


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February 02, 2005

猫も杓子もすなる……

ブログが流行っているのだとか。友人たちからは一昨年「ココログ」のサービス開始と同時に始めるように誘われたのだけれども、その時はその気になれなかった。トラックバックだとかRSSだとか便利な機能だし、その有効性は理解していたのだけれども、ヒトと繋がることに疲れていたのだ。

ビジネスであれなんであれ人間の活動は他者との関係作りなしにはありえない。私はこう考える、俺はこう思うというように考えや気持ちを伝え合い、相手の考えや気持ちを受け止めて互いにしっくりくるところを見つけ出す作業をし続けているのだ。そのような作業をするのには「元気」や「勇気」がいる。長いこと続けていると相手から元気や勇気をもらうこともあるけれども、当座はこちらが気を発していないことには良い関係など築けはしない。

「ココログ」のスタートと私の心的エネルギーレベルとがうまく同期していなかったので始める気になれなかったのに、ここにきて俄然やる気になったのはビジネスツールとしての可能性を私なりに確信したからだ。

もちろんブログのビジネスツールとしての可能性は昨年いくつかの先駆的な事例などに基づいて大いに語られてきた。だから「今更……」と言われるかもしれないのだが、自分でやってみなければわからないことがたくさんあるはずだ。

とにかく「猫も杓子もすなるブログというものをしてみんとて」なのである。

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